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 Panasonicのフルアルミフレーム「FCA17」
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Panasonicのフルアルミフレーム「FCA17」
いままでドロップハンドルMTB・XCS9Fでトレーニングをしていたが、練習でもうちょっと早い速度に慣れたかったので、より高速巡航ができるロードレーサーが欲しくなった次第。
それで今回はフレームを単体で購入しパーツを買い足すことにして、フレームはパナソニックのフルアルミ「FCA17」をチョイスした。何故「FCA17」にしたかというと、安かったから。レース用に決戦マシンを別途購入することを前提に、ラフに扱えるトレーニング専用マシンにしたかったのだ。あと、オリジナル塗装を決戦用の高級フレームに施す前に安いフレームで練習したかったという事情もあったり。
■パーツ
トレーニング専用マシンということで軽量化はほとんど無視してパーツをチョイス。フレームは安価なフルアルミ「FCA17」だが、最上位モデルのチタンフレーム「FCT08」同様のコブラシェイプダウンチューブが太く迫力があっていい。国内メーカー製なので日本人向けの設計になっているのも重要なポイント。

MADE IN JAPAN! 台湾製じゃありません。
メインパーツには贅沢にもシマノ「DURA-ACE」をチョイスし、15万円ほどで組んだ割にはチープ感はない。(定価ベースだと24万円強だけど。)ただ、よく見るとピラーやステム、ホイールはトコトン安物。

【拡】やっぱりパーツは新品に限る。
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品 名 |
仕 様 |
重量(実測) |
費用 |
フレーム |
パナソニック「FCA17」 480mm |
1,640(1,703) |
47,800 |
ヘッドパーツ |
TANGE A-HEAD 1" DL JIS |
フロントフォーク |
アルミフォーク |
−(575) |
ステム |
カロイ 6061-T6(80mm) |
−(162) |
ハンドルバー |
日東 NeatM.153 STI(380mm) |
295(284) |
2,247 |
プレッシャープラグ |
ヒラメ プレッシャープラグ |
39(40) |
1,710 |
グリップ |
OGK CBT-1 バ−テ−プ |
−(62) |
1,176 |
リヤディレーラー |
シマノ DURA-ACE RD-7800SS |
180(183) |
8,960 |
フロントディレイラー |
シマノ 105 FD-5501B φ31.8 バンド式 |
86(97) |
2,500 |
STIレバー |
シマノ 105 ST-5600 |
500(493) |
18,354 |
ブレーキ |
シマノ DURA-ACE BR-7700 |
317(320) |
13,000 |
クランク |
シマノ DURA-ACE FC-7703 170 |
−(469) |
19,980 |
チェーンリング |
スギノ NT-130(アウター50T) |
−(70) |
3,010 |
スギノ NT-130(インナー38T) |
−(40) |
2,247 |
ボトムブラケット |
シマノ 105 BB-5502 68W |
250(250) |
2,499 |
スプロケット |
シマノ ULTEGRA CS-6600 12-23T 10s |
235(235) |
4,588 |
チェーン |
シマノ DURA-ACE CN-7801 |
280(273) |
2,404 |
ホイール |
シマノ WH-R500 |
1,884(1,873) ※2(149) |
9,000 |
タイヤ |
ビットリア TOPAZIO PRO 700×23C(×2) |
476(480) |
3,150 |
タイヤチューブ |
ビットリア ULTRALITE 700×19-23C 42mm |
160(168) |
588 |
リムテープ |
Panaracer Poly Lite リムテープ |
36(41) |
294 |
サドル |
セラ-サンマルコ バラクーダ |
240(262) |
4,800 |
シートポスト |
カロイ SP369 φ27.2×300L |
253(214) |
0 |
シートクランプ |
バズーカ CFCBD φ31.8 |
−(24) |
441 |
ペダル |
シマノ PD-M520L |
380(379) |
3,110 |
8,803※1(8,846) |
151,827 |
サイクルメーター |
キャットアイ CC-MT400 |
28(27) |
1,980 |
フレームポンプ |
TOPEAK マスター ブラスター |
−(147) |
− |
ボトルケージ |
ミノウラ DURA-CAGE AB100-5.5 |
52(53) |
− |
グランジ |
50(46) |
588 |
ライト(フロント) |
キャットアイ HL-EL120 |
90(93) |
1,350 |
ライト(リア) |
キャットアイ TL-LD250R |
42(40) |
1,160 |
リフレクター |
キャットアイ RR-160-BS5R |
−(22) |
298 |
ベル |
チビマルベル |
−(20) |
398 |
サドルバック |
ハクバ写真産業 PixGEAR |
156(72) |
980 |
603(520) | 6,754 |
※1…メーカー未公表のパーツは実測値を加算。 ※2…前後クイックシャフト重量 |
DIMENSION/OCA17
サイズ |
A |
B |
B' |
C |
D |
E |
F |
G |
H |
I |
J |
440 |
440 |
498 |
513 |
580 |
405 |
60 |
46 |
75°5' |
71° |
978 |
79 |
480 |
480 |
508 |
519 |
588 |
405 |
60 |
46 |
75°5' |
71° |
985 |
54 |
510 |
510 |
518 |
526 |
587 |
405 |
64 |
46 |
74°40' |
71°20' |
983 |
31 |
530 |
530 |
528 |
533 |
585 |
405 |
68 |
46 |
74°20' |
72° |
980 |
18 |
550 |
550 |
542 |
542 |
588 |
405 |
68 |
46 |
74° |
72°20' |
984 |
- |

■フレームカラー
メーカーが用意したフレームカラーで気に入ったデザインが無く、最近はフレームのカラーリングを自分で施すのが趣味になってきてしまっているので、FCA17もオリジナルペインティングを実行する。既製品ではつまらないし、自分で塗った方が安上がり。
今回は数年前にコルナゴがF1で有名なフェラーリとタイアップして販売した「COLNAGO for Ferrari(CF1)」のカラーリングが格好良かったのでこれを参考にすることとした。本当はCF1レプリカにしようとも思ったのだが、本物のコルナゴの前では立つ瀬がないのでやめた。

【拡】シンプルデザインで格好いいCF1。
ペイントを実際にする前にパソコンでシュミレーション画像を作成してみた。CF1のようにフレームが太くないので迫力という点で劣るが、まぁそれは仕方ないだろう。
□黒と赤は精悍なイメージ
オリジナルはカーボンにフェラーリレッド塗装だが、「FCA17」はフルアルミフレームなのでカーボン色にもっとも近いブラックカラーをオーダーした。ロゴ無し。赤色の部分は自分で塗るので、金物屋でフツーの「赤」の水性缶スプレーを購入する。“フェラーリレッド”って印刷業界で言う単なる「金赤」だけどね。

【拡】元のフレームカラー。実に地味な黒の単色。

これを“フェラーリレッド”ということにする。714円也。
しかし、ナショナル自転車の塗装はレベルが低い。ゴミの付着はあるし滑沢が低い。安物フレームということで手を抜いているのだろうか。紙ヤスリで少し修正を施すが、余計な手間をかけさせる。

【拡】下地のアルミが見えてる!? ちょっとヒドイ塗装です。

マスキングをしてフレーム前部とフォークを塗る。

ステムもフェラーリレッドに。 赤いステムってナカナカ売ってないんだよね。
塗装は剥離をせずに上塗り。本当はペダルも赤くしたかったのだが、どこかのショップのHPに「一度分解してしまうとバネ部などが自分では組み立てられない」との記述があったのでやむなく断念。
<追記>
後日ダメ元で分解してみたが、大した苦労もなく組み立てられた。またいい加減なショップに騙された…。
本計画の核というべきマーキング作業。フレームに施すマークはインターネットで参考になる写真を拾い集め、資料が用意できたらアドビのIllustratorというドローソフトで作成する。面倒な作業だが、これはこれで楽しい。

Illustratorはプロデザイナー向けのソフトで 高度なグラフィックを作ることができる。
マークが出来たらプリントアウトしフレームやパーツに貼り付ける。どんどんフレームのデザインが引き締まっていく。プラモデルにデカールを貼っていく感じ。(笑
ステム等のパーツにもマーキング。
ステッカーチューンやカッティングシートとは違い、マーキングは段差のないクリアコーティング処理を施したデカールなので見た目が美しく、磨いてもマークが剥げ落ちるということもない。
想像以上にいい雰囲気。なんだかモトGPのワークスマシンのようでレーシーな感じがして戦闘力が高そうに見える。
【拡】
元の単色に比べグッと精悍な印象になった。
ロードパーツをロードに組み込むだけなので特に問題もなく作業完了。
■メインパーツ
パーツはDURA-ACEと105を中心にセッティング。STIレバーはコストダウンの効果が高い「105」をチョイス。「ULTEGRA」と性能比較したかったという意味もあった。決戦マシンには「DURA-ACE」を組み込んでみたい。

【拡】どんどん組み上がっていきます。
Fディレイラーは77系DURA-ACEにするつもりだったが、フロント2/3s兼用の105STIレバー(ST-5600)は2s用のデュラや66系ULTEGRAのSTIレバーとはストローク量が異なり「FD-5600/5603」しか対応しないということが判明。やむなくストックしていた「FD-5500」で組むことにした。FD-5500も2/3s兼用STIレバー対応規格なので多分互換性があろうということで。

【拡】非常に快適な変速性能を示した105。
■チェーンホイール
たとえ剛性があろうとも、シマノのホローテックIIのデザインはやっぱり気に入らないので、手元にあったトリプルの77系DURA-ACEをセット。トリプル用といってもインナー用の突起がないだけなのでダブルとして使用しても何ら問題はない。ただ、デフォルトの53-39Tは大きすぎて自分の実力では踏めないのでスギノのチェーンリング50-38Tを別途購入した。この措置に伴いスプロケットを12-13-14-15-16-17-18-19-21-23T(10速)のクロスレシオ構成にする。

【拡】デュラエースにスギノの50-38Tをセット。 ホントはシルバーカラーにしたかったが、ブラックも思いの外マッチしてる。
■ホイール
ホイールはシマノの最廉価完組ホイール「WH-R500」を採用。重量は1,884gでそれほど重くもなく、なにより前後セットで実売9,000円という価格は驚異的。もちろん品質的には上位モデルに比べ劣るのは当然だが、練習用と割り切ってしまえばとてもコストパフォーマンスに優れた魅力のある製品だといえる。

抜群のコストパフォーマンス完組ホイール『シマノ WH-R500』。
トレーニング用途だから転がり抵抗が高くてもいいのだ。
■シートピラー
シートピラーは元々MTBについていたロングタイプだったのでギリギリまでカットする。これで35gの減量。

シートピラーのカットは強度不足の心配がなく安心して軽量化できるポイント。
さらに剛性不足にならない範囲でピラーの付け根を肉抜き加工。どうせ安物の余り物なので躊躇することなく手を加えることができる。穴を開けた様子はまるで機関銃の銃身カバーのよう。トータル253g→214g。

かなり穴を開けたが、わずか4.5gの減量にしかならなかった。シートクランプのボルト1本分。
■アウターストッパー
フレームに取り付けるアウターストッパーのつまみだが、出っ張りが大きすぎてフレームに干渉してしまい回すことができない。 仕方ないので出っ張りをニッパーでカットした。

【拡】アウターストッパーのつまみの出っ張りをカット(右)。
■その他
サドルは絶対赤い色のものをセットしたかったのであちこち探してなんとか入手した。安物ではないのでバイク全体のグレード感をアップ。ハンドルバーはエアロ効果も期待して幅の狭い380mmの製品をチョイスした。思ったほど窮屈感はなくいい感じ。このバイクはトレーニング専用マシンなのでペダルは歩きやすいSPDを採用。
ステムの上にコラムが出っ張っているととても格好悪いので、コラムをカットする。

【拡】コラムのカットで33gの軽量。スターナットもろとも真っ二つ!
完成です。今回は特にカラーコーディネイトに気を遣ったので統一感があり、我ながら格好良く仕上がったと思う。世界に2台とない完全オリジナルのマーキングなので個性バッチリ。
黒と赤と白でまとめてアグレッシブな印象の練習用バイク。
□インプレッション
サイズは合っているようで、ポジション的に支障はなく身体のどこか一部が疲れやすくなるということはない感じ。ただ、さすがにタイヤに空気をギンギンに入れたフルアルミフレームは固い、固い、固い。路面から拾う振動がダイレクトに身体に伝わってくるようだ。スプリント勝負にはいいだろうが、ロングライドはかなり疲れそう。このマシンで100km以上は走りたくない感じ。もっとも重量がある分、実戦でのスプリントも実用的とは言い難いかも。
フレームの作りはちょっとイマイチ。アンカーフレームと比べると溶接痕が荒々しく美しくない。リアエンドも左右の誤差が0.5mmくらいあるようで意識してホイールをはめないとセンターが出ない。BB部も僅かに水平が出てないような…。しかし値段相応の精度といえば許容範囲かもしれないが。
フレーム以外の各パーツに関しては特に不満なし。さすがはシマノで変速回りはキビキビした動きを見せてくれた。STIレバーだが、105とULTEGRAの性能差はまったくないといってもいいレベル。
率直にいうと、もう1万円出してブリヂストン・アンカーRA5を選んでおけば良かったかなと思ったり。フルアルミはこのマシンで最初で最後になりそうだ。
□総 評
製作費約15万円ではあるが、目立つところにはDURA-ACEを配したのと、質の高いオリジナルカラーリング・マーキングのおかげで高級感が出ていると思う。フレーム、ホイールはその分安物だが…
このマシンの重量は約9kgと若干重めだが、先に述べたように練習用なので重量軽減は特に考慮していない。ちょっと重い方が練習になる。(笑
次に組むとしたら決戦マシンになるだろうが、78系DURA-ACEメインの6kg台前半超軽量フルカーボンフレームマシンを計画している。もっとも、50万以上になりそうなので財政的にすぐには購入できないけど…。
→メーカーWebサイト(パナソニックサイクルテック)
色々不具合等が出てきたので一部パーツを換装
→第一次換装計画
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